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GEでショートショートでお題2「理由」01‐10

2013.04.26.Fri.17:04
お題「理由」で10題。できあがりました。
例によって例のごとくネタバレと捏造しかないのでご注意を。

追記からどうぞ。



10titles 理由 01-10


01 目的はない。けれど、理由なら


「全部が全部そうとは言い切れないだろう。」
「…どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。」

キエルチェの夜はとても危険である。町の人々は決して出歩かないその時間に、密かに集う影二つ。

「しかし、それではあまりにも報われないのではありませんか。」
「フッ、それこそ私の知ったことではないな。」
「確かに私は貴方に忠誠を誓った身、貴方が仰るならばこの身を犠牲にしてでも、どのような任務でもこなしましょう。しかし…。」
「…これ以上、お前の戯言に付き合っている暇はない。私はもう戻るぞ。」
「お待ちください、ケス様!」

立ち去ろうとしていた影が足を止める。

「ブリスティア解放が狂言だったなんて…。正規軍も、ブラッディネイビーも、この町に住むすべての人々が、騙されていた、ということですか…?」
「…話はそれだけか?」
「………。」
「ならばもうこの話は終いだ。さっきも言ったとおり、他言は無用だ。分かっているな。」
「…ケス様…。」
「次に会うときは敵同士ということになるな、ククク。…では、また。」
「ケス様、あなたは…。」

立ち止まったままの男の声音が変わったことで、立ち去ろうとする男の歩みが再び止まる。

「ケス様、あなたは…一体どうなさるおつもりなのですか…?」
ふ、と笑って男は答える。
「理由など数えきれぬほどあるのだろう。だが、目的などないのだよ。最初から、な。」






02 結論だけではなく、理由も言え


「で。」

くすぶる怒りを隠しきれずに腕を組んで仁王立ちしている男と、沈痛な面持ちで地面を見つめる男。どちらも怪我をしているらしく、包帯をぐるぐるに巻かれている。
ヴァイロンの中心部、中央官庁の職員たちは、そんな二人の光景を物珍しげに見つめていた。

「…今回の騒動の顛末をもう一度最初から説明してもらおうか。」
「だからッ、何度も言ってるじゃねぇか。俺は何も知らねぇんだよ。」
「それは先程から何度も聞いている。私が聞いてるのは、なぜこのような事態になったのか、ということだ。」
「だからー、俺は何も知らねぇっつってんだろ!何回も言わせんな!」
「お前が何もしていないというなら、なぜアドリアナ先輩、いや提督たち海軍が、お前を攻撃したんだ?いい加減、誤魔化すのはやめてくれ。」
「知らねぇもんは知らねぇ。それしか言えねぇよ。あのアドリアナって女を少しからかってやったのは認めるが、それ以上は俺も何がなんだか分かンねぇんだっつってんだ。」
「そうか。まだしらをきるつもりならもう勝手にしろ。これだけの騒ぎを起こしたんだ、上官だろうが処分は受けてもらうからな。」

プンスカと音を立てながらリオネルは去って行った。謹慎処分をくらったファレルは、痛む身体でどうにか立ち上がり自宅へと向かう。

…本当に俺は何も知らねぇんだ。
となれば、ますますあやしいのは上層部の動きだな。またひとつ、軍部の隠していることのヒントが出てきたってワケだ。
あのバカなエリート軍人共のあずかり知らぬところで、おもしれぇことが起こってる。こんな愉快な話をあのバカに喋ってたまるかよ。
まぁ、聞かせたところであのバカのことだ、信じることもねぇだろうがな。

ククク、と声を上げてファレルは笑った。

さて、今回のことで上がどう出るか。
楽しみだな。






03 弱い理由は強くない理由にはならない


痛む腕を抑えて何度も何度も剣を振るい続けた。
宙を裂く刃。何を切り裂いているのかなんて自分でも分からない。ただひたすら剣を振る。渾身の力を込めて。
悔し涙が頬を伝う。喚きながら剣を振るう。
ぐしゃぐしゃに切り裂きたいのは思い出か、心か、この腕なのか。
どんなに鋭く剣を振るったところで感触なんて全然ないのに。
真っ白な大地に思い切り剣を突き立てて、雪の上に泣き崩れた。

「返して、返してよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

誰か返して。私のすべてを。


虚ろな瞳を上げると、ガルシアがひどく歪んだ顔でこちらを見つめていた。
冷たくなった手を私の肩を置く。

「セルバ…。いつか、すべて取り戻そう。すべて取り戻せる日が必ず来る、さ。」

くだらない言葉。信じられるはずのない言葉。それでも、促されるまま、すがりつくように、手を引かれて私は立ち上がった。






04 全てに、起因する理由が存在する


たとえば、世界がもっと美しいもので満ち溢れていたら?

たとえば、キレイゴトだけで全てがうまくいったら?

たとえば、私が夢見ていたような、白馬の王子様と結婚して、綺麗な花嫁さんになっていたら?

たとえば、私の肌の色がもっと白くて、髪は美しい金色をしていて、瞳の色は…そうね、透き通った水色だったりしたら素敵だわ。

たとえば、男に生まれてみてもよかったわね。それもとんでもなくブサイクなのがいいわ。誰にも見向きもされない、冴えない痩身の男。

たとえば、あのときあの場所に、私が存在していなければよかったのよ。

たとえば、この両手がもがれてしまえばいいの。

たとえば、私にこのアビシニアの力を使いこなすだけの才能がなければ。

そう、それですべて解決する話だわね。
ね。私の可愛いボマちゃん。






05 理由もないのに偽る意味はない


短い間だったが、ここで生活していたのだからそれなりに手荷物はある。それらをすべて片付けて、私は私であることを隠すために身に着けていたマフラーを外した。今日、ここを去るからだ。
すべてを偽っていた私の生活はもう終わる。私は再び私に戻るためにここを出る。

「お前には世話になったな、カート。」
「貴様まで、私を裏切るのか、エデュアルド。」

憎悪を隠さない瞳で私を見つめるカートに背を向けて、私は歩き出す。
ほんの僅かなあいだ忠誠を誓った人よ。私には、あなたに背を向ける理由はあるが、あなたを裏切る理由など何一つないのだ。だから私はあなたに何も告げずに出て行こう。
再びどこかでまみえることがあったなら、そのときは。






06 否定する要因


「ああもう!また失敗ね!!」

なかばヒステリック気味にそう叫ぶと、ベロニフは机の上に散らばる実験結果を腕で振り払った。ガシャン、と実験器具が地面へ落ちる音にも構わずに、ベロニフは再び魔法書を手に取ると必死でページをめくる。
小一時間ほどの沈黙のあと、ベロニフが奇声とも歓声ともつかぬ声をあげた。

「あったわ!これよ、これなら間違いないわ、次こそは…!」

リピート。

深夜もすぎ、夜明けを迎えようとするころ、ベロニフはやつれきった顔で冷めたコーヒーを啜っていた。
今日も、だめだった。
昨日もだめだった。
たぶん、明日もだめなんだって、分かってる。
そう、分かってるのよ。何をしてもだめだってこと。ほんとはこんなことしても全部無意味だってことくらい、分かってる。
だって、あの人は、私のことが嫌いなんだもの。
だから、こんなことをしても無駄だって、本当は分かってるのよ…。

それでも私が研究を続けるのは、あの人の心を取り戻したいから、じゃなくて。
あの人に私を好きになってほしいから、でもなくて。
信じられなくなったからとか、信じてるから、とかそんなつまんない話でもなくて。
あの人が否定した私を、愛しているから。

ベロニフは顔を上げた。

「さて、もう一度最初から、研究ね。」






07 好きな理由を十個挙げよ


うん、そうだね…。

最初は、特別何も思ってなかったと思う。ああ、お向かいさんだなって。それから、たまに話すようになって、なんだか面白い人だなって思ったよ。そうして話しを聞いているうちに、僕と同じくらいの年なんだって聞いて、少し好感が持てた、かな。僕と同じくらいの年なのに、父親を亡くしてひとりでこの大陸へやってきて、きちんと仕事をするかたわらで趣味もきちんと楽しんでて、それに比べて僕ときたら、父親が家が嫌いだからなんて陳腐な理由で家出して、仕事も誰かに手伝ってもらわないと出来ないまだまだ半人前で、彼のことがすごいなって思ったよ。彼とちがって、僕は他に趣味なんてないもんなぁ…。ああそう、それから、彼はとてもしっかりしていて、人脈も広くて、みんなから好かれているんだ…羨ましいなぁ、僕もいつかはそんなふうになりたいな。でね、彼は見た目も素敵なんだよ。ファッションセンスも、きらびやかで、まるで貴族みたいなんだ。とてもただの商人になんて見えないよ。喋る言葉もなんていうか、優雅で洗練されてるとでもいうのかな、そんな感じだしね。そして何より、彼はとても音楽が得意なんだ。僕はそんなに音楽が得意な方じゃないけど、彼の創る曲はいつも素敵だなって思うよ。魅力的というのかな。引き込まれるような、聞き惚れちゃうような、そんな曲をいつも演奏して聞かせてくれるんだよ。
そんな彼と、僕を迎え入れてくれた家門で再び出逢えたときは本当に嬉しかったなぁ。これから彼と一緒に戦えるんだ、って、彼と肩を並べることが出来るんだって、とても誇らしく思えたんだ。

…君と出逢えて、僕はこんなにも胸を躍らせていたんだよ、リオ。






08 結果だけがあって、原因は不明


私がまだグランディスという名前で呼ばれていた頃の話だ。
戦いしか知らなかった私が、冷たい青色の瞳の青年に恋をした。こんな私を綺麗だと、好きだと言ってくれる、美しい男に、幼い私の恋心が傾かないわけがなかった。
歯の浮くようなありふれた口説き文句にも、抵抗を知らない私の胸は高鳴った。
二人で見た景色は、陽だまりも夕焼けも星空も輝きを増していたから、甘い誘惑を拒むことなんて出来なかった。

そうして私は彼の子を身ごもった。私は幸福だった。彼にそのことを伝えるまでは。
馬鹿な私は、至福の心地で受け取った返事を開封した。
そして、泣いた。泣いて泣いて泣きはらした。
手紙には、たったひとこと、こう書かれていた。

「もう二度と私に近寄るな。」

馬鹿な男に騙された馬鹿な女。産み落としたたったひとりの娘も自分の手で育ててあげることも出来なかった駄目な女。それが私、開拓王グラングマと呼ばれた女の正体。

もう一人の私ってるのがいるなら、ねぇ、あんたはこんな女になるんじゃないよ。絶対に。






09 後付けの理由で愛を語らないで


それでいい、それでいいんだ。最初から私と貴様の間には何もなかった。
そうでなければ、こんな結末は間違っている。
目の前に転がった死体。見慣れた死体。死体なんて見慣れていたはずだった。なのになぜこんなにも胸が苦しいんだろう。見慣れない死体。ずっと見たかったはずだった貴様の無様な姿。
私の刃は奴の肩に突き刺さり、そのままななめに脇腹まで切り裂いた。致命傷だった。助かる見込みなどかけらもなかった。
だから、なぜ、なぜ最期になって、そんなことを言うんだ。

「私はお前を追いかけることでしか、生きていられなかったのかもしれない。」
「………ッ?」
「愛していたのかもしれない、カート、私は、お前を。」

こんなの、間違っている。だからそれでいいんだ。私は貴様を憎んでいて、貴様も私を殺したいほど憎んでいた。そうだろう。そうであるはずだろう?
そうでなければ私は、

―――本当に孤独になってしまったのか。

死体に尋ねてみても、死体は喋れない。それでも私は尋ね続ける。
「答えろ、ヒューゴ。」
死体は喋れない。それでも私は尋ね続ける。
この結末の理由を。






10 理由があるからと言う、それはただの言い訳


カトリーヌ、ハ、イツモ、言ウノ。デモ、ワタシ、同ジ気持チ。
ワタシ、見テタ。イツモ、お父様、ト、カトリーヌ言ッテル、全部、ウソ。デモ、ワタシモ、同ジ、言ウ。
ドウシテ?
ワタシ、マダ分カラナイハ、生マレタバカリ、ダカラ?

ワタシ、ウソ、言ウノ。お父様キライハ、ウソ。カトリーヌ、モ、同ジ、ウソ、言ウノ。
本当ハ、大好キハ、本当。知ッテルノニ、ウソ、言ウノ。ドウシテ?

ワタシ、マダ分カラナイハ、生マレタバカリ、ダカラ?







生死について考えることに疲れたので別のお題に挑戦してさらに疲れたという。
1話目はJD編入あたりの頃に書いたものなので完全捏造になってしまったのでパロディくらいに思ってあげてくれれば幸いですます。
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